大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)108 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人表権七の上告趣意について。

原審が昭和二四年七月二九日第三回公判を開いて審理し同年一〇月一九日の第四

回公判は証人不出頭のため変更となり同年一一月三〇日第五回公判を開き、公判手

続を更新しないで審理して結審したことは所論のとおりである。しかし、刑訴規則

施行規則(昭和二三年最高裁判所規則三四号)就中同規則三条三号の規定によれば、

本件のような新刑訴施行前に公訴のあつた事件については、開廷後引き続き一五日

以上開廷しなかつた場合においても、必要と認める場合に限り、公判手続を更新す

れば足りるものである。そして、同規則は、直接には刑訴施行法一三条の法律規定

の委任に基くと共に最高裁判所が憲法七七条により本来有する権限内で制定された

適法適憲の法規であることは既に当裁判所大法廷の判例とするところである。(判

例集四巻一〇号二一五一頁以下)。されば、原審裁判長が前記第五回公判において

引続き審理する旨を告げ被告人等に対してこれ迄被告人等が為した供述について何

か附加訂正すべき事があるか否かを問い、被告人等が別に附加訂正することはない

と答えたので、その以前に行われた公判手続を更新しなかつたのは、原審が前記規

則三条三号の規定により更新の必要を認めなかつたものというべくその裁量に何等

違法は認められないから、原審の手続には所論の違法があるということはできない。

よつて刑訴施行法二条旧刑訴四四六条に従い裁判官沢田竹治郎の少数意見(右判

決に記載)を除いて裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 安平政吉関与

昭和二七年一二月一八日

最高裁判所第一法廷

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裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官沢田竹治郎は退官につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

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